タクシーの給料の仕組みについて

タクシードライバーの給料の仕組みですが、タクシー会社によって多少の違いはあるものの、基本的には歩合給という仕組みで給料が支払われることになっています。歩合給というのは、働いた成果に応じて一定の割合で給料が支払われる仕組みのことで、タクシーではごく一般的ですし、会社員であっても例えば営業職などでは似たような仕組みが取り入れられていることもあるでしょう。そして、タクシーの場合、働いた成果というのは即ち売上金、つまりお客さんを乗せてどれだけ走ったかということになります。いくらタクシーに乗務していても、お客さんを乗せていない時間は売上げに1円も貢献しませんから、働いた成果にはなり得ません。

そして、一定の割合というのはタクシー会社によって異なりますが、おおむね60%程度となっていることが多いです。つまり、売上金の60%が自分の収入になるというのがタクシードライバーの給料の基本的な仕組みです。例えば1日に3万円の売り上げがあった場合、1万8千円が自分の収入になります。残りは会社としての取り分となり、車両の維持管理費や保険料、ドライバーではない管理職や事務職の社員の人件費、会社の社屋の賃貸料や光熱費などの維持管理費など、ドライバーの人件費以外に会社を経営していくために必要な費用となるわけです。60%という取り分をどう見るかはいろいろな考え方があるでしょうが、一般論として言えば、普通の会社の営業職員は、売り上げの60%もの収入を得ることはまず考えられません。10%程度とかそれ以下ということもごく当たり前でしょう。

歩合給というのは、頑張った分だけダイレクトに給料に反映される仕組みということができます。確かに会社員など固定給に慣れた人は、収入が不安定なことに戸惑いを感じる人もいるかもしれませんが、そこは考え方をどれだけ切り替えられるかにかかっているでしょう。やった分だけ確実に報われることに高いモチベーションを感じる人も多いはずです。なお、会社員から転職した人などでどうしても完全歩合給に不安を覚えるという人は、給料の一部は固定給という仕組みになっているタクシー会社もありますから、そういう会社を選ぶのも一つの方法です。もちろん固定給が一部保証されている以上は歩合の割合は60%よりも低くなってしまいますが、安定感は増します。ただ、このような会社は少数派ですし、仮に最初はその制度を選んだとしても慣れるに従って完全歩合給のほうがより魅力的に感じられるようになることも十分にあるでしょう。