タクシー業界はベテランだからといって給料が高いわけではない

タクシードライバーの年収は、かなりばらつきがある現状です。これは、タクシードライバーの給料が歩合制を導入しているところが多いことと関連しています。そもそも、タクシー業界での平均的な年収は300万円程度と考えられており、東京などの都市部にいくと400万円程度の平均年収です。基本的には、大都市に行くほど大きく稼げる可能性があることに違いはありません。しかし、タクシー業界の場合は人口密度が多い都市ほど多く稼げるわけではないという側面もあります。これは、同業他社が数多く存在するからです。特に、東京には大手に分類される会社が数多く存在し、その影響で競争率が非常に高くなっています。実際に、ベテランのタクシードライバーであっても上手く営業をすることができない人は給料を多くもらえません。そして、こういった人が多い地域だからこそ歩合制が非常に大きな役割を果たしています。

タクシー業界には、主に3つの給料の考え方があります。まず、通常のサラリーマンと同様に基本給を基準としているものです。安定して平均年収が存在するのも、こういった基本給を基準とした給料体系を採用している会社があるからです。一方で、歩合制のみで行っている会社も存在します。この場合には、自分の腕次第でいくらでも給料が大きくなるメリットが存在します。ベテランで営業に長けている人ほど、こういった歩合制を選択した方が得をする可能性も高まります。そして、基本給と歩合制の両方をバランスよく組み合わせた給料体系があります。この場合は、基本給を基準としながら営業をかけて顧客を獲得するほど上乗せもありますので、これを採用している大手も存在します。ただ、歩合制に関しては注意も必要です。歩合制については、会社や地域によってそのバランスが大きく異なるからです。

普通の地域では、タクシー業界の歩合は10%から20%が多いです。しかし東京のタクシー業界では、歩合の割合が6割程度存在します。つまり、基本給は少なくてタクシードライバーの売上の約6割がそのまま収入にあてられることになるのです。こういった観点からもわかるとおり、都市部には確かに人は大勢いますがそこで顧客を勝ち取るだけのノウハウが存在しないと上手く結果を出すことはできません。ベテランドライバーが、こういった業界で強いのもノウハウが存在するからです。ですから、タクシー業界で働く場合には自分がどういった立ち位置にあるのかを良く考えてから転職や就職を行う必要があります。