タクシードライバーの給料と最低賃金

タクシードライバーの給料はいわゆるオール歩合制か、あるいは固定給プラス歩合給制となっていることが多いでしょう。いずれにしても歩合給があり、給料は一定している訳ではありません。歩合給に関しては、仕事を休んだ場合に少なくなってしまうのは致し方ありませんが、タクシーに乗務するという形で仕事をしていてもなかなか客がつかまらないという理由で売り上げにつながらず、結果的に歩合給が少なくなってしまう可能性があります。タクシーで売り上げが上がらない以上は給料が少なくなっても当然だろうと思われるかもしれませんが、その一方でタクシードライバーと言えどもその会社に雇用されている社員である以上は労働基準法が当然適用され、その中の最低賃金の取り決めもあります。最低賃金はオール歩合制の人であっても適用されることになっており、これはタクシードライバーのみならず一般の会社の営業職の人であっても実は同じです。

ですから、ちょっと極端な話になってしまうかもしれませんが、オール歩合制のタクシードライバーで、1日の売り上げがゼロだったからと言って給料もゼロにするというのは最低賃金を定めた法律違反となります。仮に最低賃金が900円の都道府県で、そのドライバーが1日8時間勤務したのであれば、オール歩合制であろうが固定給プラス歩合給制であろうが、少なくとも7200円の給料を支払わなければならないというのが法律の規定するところなのです。タクシー会社の場合、働く側の人も歩合給制で給料が全て決められるのは致し方ないと思い込んでいる人が多いのですが、日本の法律は実はそうではなく、労働者を守るようになっています。

もし仮にオール歩合制の人で、歩合率60%、1日に8時間乗務して売り上げが1万円であった場合、会社の規則だからと6千円しか給料を支払わないというのももちろん違法であり、最低賃金に満たない1200円分は上乗せして支払う義務が会社に生じます。このような考え方は固定給プラス歩合給制の人であっても同じです。タクシー会社にはこのような給料制度を取り入れているところが多いでしょうが、その場合、就業にあたっては、最低賃金というものを定めた法律があるはずだが、それはどのように適用されることになっているかと質問してみると良いでしょう。そんなものは適用されないというような会社は明らかにブラック企業ですし、曖昧な答えしかできない会社も避けたほうが賢明でしょう。