タクシーの平均年収について

タクシードライバーの平均年収ですが、これは統計データが出ています。年度によっても異なりますが、全国平均では350万円程度ということになっています。これは、全業種の平均年収に比べると少なく、それだけタクシードライバーというのは厳しい仕事だと言えるかもしれません。ただし、東京に限るとこれよりも100万円以上多い平均年収になっています。やはり、タクシーに乗る需要は東京を初めとする首都圏が多いということを意味しているでしょう。首都圏は電車やバスなどの公共交通機関が発達しており、わざわざタクシーに乗るような必要は地方に比べるとむしろ低いのではないかと思われるかもしれません。確かにそういう側面もあるでしょうが、それを打ち消すほどにタクシーを利用する人が多く、また客単価も高いのだろうと想像できます。

東京のタクシードライバーで平均年収450万円程度ですが、これはどのような内訳、構成になっているのでしょうか。これも統計データがあるのですが、タクシードライバーの1日の売上高は、隔日勤務として5万5千円程度が平均です。このうち約6割が歩合給でドライバーの給料になりますから、3万3千円程度でしょう。隔日勤務のため、1ヵ月の勤務日数は11日から12日程度であり、月収は38万円程度となります。これを12倍するとだいたい450万円というのが平均年収になっているわけです。

もちろんこの数字は平均であり、これよりも多い人もいれば少ない人もいます。とくにタクシードライバーは自分の頑張りがそのまま給料に直結することから、例えば会社で仕事をしている事務職の人たちに比べれば同じ会社で同じように働いている人でも給料の差が大きくなります。数字上、同じように1ヵ月に11日か12日程度乗務している人であっても、中には平均の半分程度の収入しか得ていない人もいるでしょう。乗務してはいても実は車の中で休憩していたり、積極的に乗ってくれそうな人を探したりしていなければこのようなことはごく普通に起こります。その一方で、ちょっとした頑張りをプラスするだけで月収50万円、年収にして600万円と平均的な会社員を明らかに越えるレベルの収入を得ている人も全く珍しくありません。これは決して不眠不休で頑張り続けるようなことをしなくても、タクシー需要の多いルートを頭に入れておいたり、ちょっと頭を使って考えるとか、1日1時間だけ余分に働くといったような、それこそやれば誰にでもできるレベルの努力で達成可能なものです。